走って起こるもっとも劇的な変化はホルモン分泌の変化です。

走ってしばらくすると分泌されるのが成長ホルモン。

成長ホルモン＝筋トレという先入観を持っている人もいますが、ランニングでも成長ホルモンは分泌されます。

成長ホルモンはその名の通り、筋肉や骨の成長を助けます。

その一方で強力な脂肪分解作用があります。

脂肪細胞の中性脂肪を分解する酵素を活性化し、脂肪酸を血中に放出させてランニングのエネルギー源を効率的に供給するのです。

さらにランニングをはじめると副腎からアドレナリンというホルモンも分泌されます。アドレナリンも、エネルギー源となる糖質と脂肪の分解を加速させます。

一方、分泌が抑えられるホルモンもあります。

その代表格がインスリンです。

インスリンは脂肪の分解を抑え、合成を促します。インスリンは常時少しずつ出ていますが、脂肪を大量消費する有酸素運動の邪魔者なので、走り始めるとインスリンの分泌にはブレーキがかかるのです。

興味深いことに、LSDのように同じペースで長時間走るより、インターバルトレーニングのように速いペースと遅いペースを繰り返したほうがアドレナリンの分泌促進、インスリンの分泌抑制は起こりやすいことがわかっています。

さらにちょっとつらいペースで長時間走っていると、脳内ではβエンドルフィンというホルモンの様な物質が分泌されます。

その役割はつらい運動による痛みの軽減です。

中上級者がハードな練習の後半に感じるランニング・ハイはβエンドルフィンの作用だと考えられています。

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